歯髄とは、一般的に「神経」と呼ばれる、歯の中心にあるやわらかい組織のことです。
歯の根の先端にある小さな孔を通じて、あごの骨の中の神経や血管とつながっており、歯に血液や栄養を届ける大切な役割を担っています。
また、歯髄があることで歯はしっかりとした強さを保つことができます。
一方で、むし歯や外傷などで細菌に感染すると、強い痛みや歯ぐきの腫れといった症状が現れることもあります。
本来、歯髄を残すことは歯の寿命にとって非常に重要です。
しかし、日本では大きなむし歯がある場合、まだ安易に「神経を取る治療」が選ばれてしまう傾向が少なくありません。
その背景には、歯科業界においても「歯髄を守ることの大切さ」が十分に浸透していないという現状があります。
結果として、患者さんにとっても歯髄を残すことの意義が伝わりにくくなっているのです。